代表×採用担当対談

Introduction
港町・焼津で鰹節メーカーとして創業し、以来150年以上にわたって多様な事業を展開しているいちまるグループ。いちまるとはどういう会社で、どんな未来を拓こうとしているのか。グループ全体の舵取り役を担う松村社長に採用担当の山川が迫ります。
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代表取締役社長松村 友𠮷
焼津市生まれ。1975年京都大学を卒業。1981年に㈱いちまるに入社。常務、専務を経て、2000年代表取締役、2010年にいちまるグループ代表に就任。焼津商工会議所会頭などの公職を歴任。

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採用担当山川 実乃里
静岡市生まれ。2017年玉川大学を卒業し、Uターンで㈱いちまるに入社。2017年から約7年間食品事業本部の生産部に所属し、2024年に総務部総務課に異動。現在採用担当者として日々奮闘中。

携わる人が本物であれば、事業も本物になる!
創業から150年以上経ち、その間、核となる事業も進化し、従業員も世代交代しています。そうした変化や進化を踏まえ、いちまるの今についてどのように見ていらっしゃるか聞かせてください。
今年で創業157年を迎えましたが、焼津とともに歩んできて、水産や食品に関連する分野を事業として展開しているということはまったく変わっていません。もちろん様々な社会的な変化には対応してきてはいますが、基本的なところは変えずに続けてきたからこそ、今があるのだと思っています。
事業に携わっている人については、どのように思っていますか?
当社の社員は本当に真面目ですよね。だからこそ157年も続いてきたのだと思います。真面目で、仕事に対して誠実。商品づくりにおいても、お客様へのサービスにおいても、本物志向で手抜きをしない。そしてお客様のお役に立つことが自分にとっての幸せだと。そういった理念に則って活動してくれている。これは本当にありがたいことだと感謝しています。
今ちょうど「本物志向」というワードが出てきましたが、社長にとってはどういうことでしょうか。
まずは嘘をつかないこと。ルール通りに行うということですよね。それにプラスして相手の立場に立って考え、行動すること、じゃないですかね。
単に“いいものをつくる”というだけでなく、作り手の気持ちの誠実さやブレない姿勢が重要ということでしょうか。
根っこは、そこですよね。事業は人が行うものですから、携わる人自身が誠実であって、本物であれば、事業もそのようになっていく、ということです。

真面目で誠実な人柄がいいものをつくる。
当社の150年史の中に、初代の言葉だったと記憶していますが、お客様の求めているものを、お客様に代わって獲りに行くといった一文がありました。信頼は1日でつくれるものではないので、そうした創業の精神が今も受け継がれているように感じました。
私は10代目に当たるのですが、10代続いてきたということは、多くの先輩方が本当に真面目に、真摯に事業に取り組んできたから。それに尽きると思いますね。
社員だけでなく、パートさんや船員さんとか、係わるすべての人が同じ気持ちで携わってきたからなのかなと。私の場合、船員さんとの直接的な関わりはありませんが、いい魚をお届けするという気持ちを、全員が持っているように感じています。
今の船は第十八松友丸という船ですが、松友丸の獲ってくる魚は常に高い評価を得ています。それは獲ってくる人たちが、絶対にいい魚を獲ってくるという高い意識を持っているからだと思います。
以前、松友丸の中に入らせてもらったことがあって。その時に温度管理が細かく記録されているのを見て、品質の良さって、そうした地道な積み重ねというか、手間暇を惜しまない姿勢がつくっているのかなと感じました。
松友丸は、大獲りって言うんだけど、一度に300t位の魚を獲ることがあります。少しずつ獲れば新鮮な魚が必ず手に入ります。300tとなると網を巻き始めてから巻き終わるまで、5時間後とか6時間後になってしまう。すると網の中で死んで腐敗する魚も出てきてしまう。担当者は「そういう魚は絶対に持ち帰らない」と私に言い切ります。それは本当にありがたいことですよね。
松友丸が入港すると魚価が上がるって聞いたことがあります。
いい魚が入るということ。その信頼が価格となって反映されているということです。
品質のいいものを、極めていると思いました。
それは魚だけでなく、ブラ・ド・シェフ(真空調理メニュー)の肉料理も同じ。日本国内で「真空調理法」を時代に先駆けて食品工場に導入し、より安全な食品をより美味しく作ることに力を入れています。プロ仕様の商品ですから、いいものをつくって提供したいという思いは変わりません。
私が感心しているのは、品質はもちろんですが、環境にも配慮していること。松友丸に関して言えば、網の目を小魚がすり抜けられる大きさにして資源を守っています。食品工場で言えば、加工過程で出た残渣(食品の残りかす)などを捨てる際に嵩を減らしたり、通常は廃棄される肉の脂を餃子屋さんで使ってもらえるようにしたりしています。それを事業の一環として取り組んでいるのは、とてもいいことだなと思っています。
それも社員一人ひとりの根っこにある真面目さ、誠実さの表れと言えるでしょう。本当にありがたいことです。

人がつくる「いちまる品質」
今、事業について話を伺いましたが、個々の人に対しては、本物という点で何か思うところはありますか?
「いちまる品質」という言葉がありますが、そこで一番大事なのが「人」です。結局は人間性というものがベースにあって、仕事を通じて自分自身の人間性を高める。社員の皆さんには、常にそういう意識を持ってもらいたいと思っていますし、そうやってくれていると見ています。
本物をつくりたい、お客様にお届けしたいという気持ちが強いからなのかもしれませんが、こだわりの強い人が多いなって思うことも(笑)
事業ですから、誠実に取り組めば新しいことにチャレンジすることにもなります。当然、自分なりに工夫しながら取り組むことになるので、時折、突拍子もないことを思いついたり、言い出したりする、そんな面白い人物も出てきます。
以前、工場に在籍していた時に、みんな個性が強いなって思いました(笑)普段は素っ気ないのに、こちらの要望に対して何だかんだ言いながらも協力してくれたり、分からないことを教えてくれたり。土地柄なのかもしれないですけど、人情に厚いなって。だから未経験で飛び込んでも大丈夫な環境なんじゃないかと感じています。
焼津は漁師町ですから、ぶっきら棒な人が多い。言葉も荒いし。でも、心は優しい(笑)

良さを保ちながら、さらなるステップアップを!
当社の社員像について、こだわりが強いとか、誠実な人が多いという話がありましたが、社長はどういう人に入って欲しいとお考えですか?
素直な人、ですかね。素直であれば、多くのことを吸収して、仕事も覚えて、どんどん成長できますから。そうして新しい仕事に取り組みながらチャレンジ精神を養ってくれれば、それで十分。
いいものを届けるためには、いい人でなければならないと。その上での話ですが、今の若い人たちは、どちらかと言うと受け身の人が多いように感じていて。だから何にでも挑戦する気持ちは持っていて欲しいなって思うのですが……。
これから入社する人に、あまり多くを期待してしまうと可哀そうなので(笑)まあ、素直な気持ちで、期待を持って入ってきて欲しいですね。
最初から何でもできるわけではないですからね。挑戦を続けることが大事だと思います。
事業に対してだけでなく、自分自身を高めることにも挑戦して欲しい。
そうした人材を集めて、10年先、20年先の未来に、いちまるという会社がどうなっていて欲しいですか?
事業も拡大したいし、やりたいこともたくさんあるけど、今のいちまるの良さを保ちながら、さらにステップアップする、ということかな。
誠実さは残しつつ、事業はどんどん拡大する、と。具体的にはどんな取り組みが?
一つは海外事業の展開。それから当社の場合、現状では卸商品が殆どなのですが、一般消費者向けの商品も手掛けています。今後はこの事業を拡充したい。現在、本社ビルの一階をリフォームしているのは実店舗をつくるため。家庭の食卓に直接届く商品をつくる食品メーカーを目指しています。
あくまでも水産食品に集中して展開するということでしょうか。
焼津の基幹産業は水産と食品。これはなかなかしっかりしている。この街の発展とともに当社も成長してきたし、だから本家本元である水産食品を軸として事業を拡大し、売上を伸ばして行きたいと考えています。
これからも焼津の街とともに歩んで行きたいと。
そういうことです。
